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情報処理技術者試験

情報処理技術者試験制度に関する継続的見直しの方向性について(案)

~第三回 情報処理技術者試験評議委員会 報告~
平成13年3月22日
情報処理技術者試験評議委員会

I.背景

1.

経緯

情報処理技術者試験評議委員会は、平成11年6月の産業構造審議会人材問題対策小委員会中間報告(「産構審中間報告」)の趣旨に則り、平成12年1月から審議を開始し、同年5月には、パブリックコメントの結果を踏まえた試験制度改革案について提案を行った。
この際、評議委員会では、新制度発足に当たって積み残しとなる課題について新たにパブリックコメントを求めたが、第三回となる今回の評議委員会では、パブリックコメントの結果や、この間に政府がとりまとめたe-Japan戦略などを踏まえつつ、試験制度を変化の激しいIT分野における人材の供給により役立てるため、今後の継続的見直しの方向性について提案をとりまとめることとした。

2.

平成13年度から実施される試験制度改革の内容と積み残した課題

(1)

試験制度改革

評議委員会の提言を踏まえ、情報処理技術者試験センターでは、平成12年6月に以下の内容を柱とする試験制度改革の内容を発表した。

a.現実の市場ニーズを反映した試験内容の改訂(「従来の望ましい情報化人材像に基づく出題形態」から「スキル標準に基づく出題形態」への移行、及び、各試験区分で取り扱うスキル内容の見直し等)
b.試験区分の改組・整理(情報セキュリティアドミニストレータ試験の新設等)
c.受験生の利便性向上(新たな免除制度の導入、インターネット申込み導入等)

こうした制度改革の内容を反映した出題分野やスキル標準は、平成13年3月までに全て作成・公表され、平成13年度春期試験から新制度に基づく試験が行われることとなっている。


(2)

積み残した課題

新試験制度を提言するに当たって、更に検討を要する課題として新たにパブリックコメントを求めたのは、以下のような事項である。

1)能力認定の更新
2)CBT(Computer Based Testing)の導入
3)出題内容及びスキル標準の見直し
4)教育機関や教育人材の認定
5)結果の公表
6)国際化
7)その他(身体障害者への配慮など)

いずれも発議した方向性については賛成意見が多数を占めたが、その具体的な進め方については様々な意見が得られた(結果概要については、「第二回パブリックコメントの結果概要について」参照)。これらの提言は直ちに実行可能なものばかりとは言えないが、更なる制度の見直しに対してこれだけ多くの意見が有ることを踏まえ、情報処理技術者試験の実施者としても、継続的に実現可能な部分から制度を見直していくことが必要である。


3.

IT基本法とe-Japan重点計画

政府では、平成12年11月にIT基本法を成立させるとともに、本年1月にはこれに基づく重点計画立案の基礎となるe-Japan戦略及び同重点計画(案)をとりまとめた。

IT人材の育成は、その中でも重要な柱として位置づけられており、中でもIT人材に関する資格制度については、以下のように触れられている。

「IT人材に係るスキル標準の国際的な共通化を図り、IT人材の技能に関する客観的な評価指標とすることで、国籍を問わない有能なIT人材を採用するためのコストを削減し、IT人材流動化を促進することによって、産業界がより有能なIT人材の活用が出来るようにするための基盤を整備する。(以下略)」

今後のIT関連施策の指針となるe-Japan戦略及び重点計画(案)においても、このように、IT人材能力に関する客観的な評価指標の整備を通じてIT人材市場自体の活性化を図るという大きな方向性が打ち出された。

これを受けて、情報処理技術者試験制度も、IT人材市場の活性化に貢献する客観的な評価指標となるよう、その内容を継続的に見直すとともに、積極的に国際展開を図り、我が国IT人材の国際競争力の貢献に資することが求められている。


4.

情報処理技術者試験制度のアジア展開
従来より、アジア諸国から情報処理技術者試験制度のアジア展開に対して強く要望があったため、昨年10月ASEAN+日中韓の経済閣僚会議において平沼通商産業大臣からIT人材・育成認定制度にニーズのある国への協力を提案した。
これが広くアジア諸国から支持を受け、既にインドの国家試験(DOEACC)との相互認証を行ったほか、タイ、マレーシアなど複数の国で我が国情報処理技術者試験の実施を検討しており、試験制度の国際展開が急がれている。

II.継続的な試験制度の基本的な見直しの方向性

積み残した課題に対して収集されたパブリックコメントやe-Japan戦略及び重点計画(案)、アジアにおける試験制度の国際展開の状況などを踏まえつつ、今後の試験制度の継続的見直しの方向性について検討する。

1.

問題意識

情報処理技術者試験制度は、

a.能力開発の指標を提示し、到達目標を設定することによって、IT関連人材の育成・供給を強化すること
b.IT関連人材のスキルを測定する認証制度の整備を通じて、人材を活用する側に適切な評価の目安を与え、IT関連人材の活用市場を活性化させること

などを基本的な役割としている。

平成12年6月に発表された新試験制度PDF形式 においても、こうした基本的役割の原点に立ち返り、試験の受験者はもとより産業界等IT人材雇用者やIT人材育成機関からも信頼を得られるような標準的な「ITのスキル」について能力認定を行うことを目指し、出題内容の見直しや試験区分の改組・整理が重点的に進められたところである。

しかしながら、出題内容や試験区分の見直しに重点が置かれた分、以下のような側面については必ずしも十分な対策がとられていない部分がある。

(1)

試験制度としての利便性・国際競争力

パブリックコメントにおいても賛成が多数を占めた

 -CBT(Computer Based Testing)の導入や結果の公表など受験生の利便性向上
 -国際的な人材認証制度の共通化などを通じた試験制度の国際化

 など、利便性の向上策や試験制度の国際競争力強化といった面では、平成12年6月に発表した新試験制度の中では十分な対応をとることができなかった。このため、年1~2回しか受験機会が無く多忙な人ほど受験しにくい、折角受験をしても合否以外の能力認定指標が与えられない、国際的な資格としては通用せず魅力に乏しいなどの点では改善が遅れている。このため、試験のCBT化、国際化は急務となっている。

(2)

スキル標準の使いやすさ

今回の制度改革では、受験しようとする者ばかりでなく、合格者を雇用する企業や受験者を育成・研修する機関双方にとって合格者の能力指標をわかりやすく提示するとの観点から、従来の「標準カリキュラム」という教育内容の開示に重点を置いた体系を廃止し、IT人材が担う個々の業務とその業務に必要な知識・技能に焦点を絞った「スキル標準」を作成・発表した。
しかし、現行の「スキル標準」は、未だ国内の13の試験区分体系に即して個別に作られており、試験の出題範囲の確認という意味では有効であっても、IT人材雇用者やIT人材育成機関にとってわかりやすく使いやすい「ITスキルの標準」としては不十分な点が多いとの批判がある。
このため、出題分野の補足ではなく、様々な形で利用することのできるITに関する「スキル標準」を策定することが必要である。

(3)

高度な知識・技能を持つ人材供給の活性化

近年の合格者の動向をみると、ユーザー側の試験となるシステムアドミニストレータや、ITプロフェッショナルを目指す人材の登竜門となる基本情報技術者試験、ソフトウエア開発技術者試験などでは順調に受験者を増やしているが、高度な技能を持つITプロフェッショナルを認証するための試験区分については、比較的受験者も合格者も伸び悩んでいる。
IT人材への不足感が強まる中、市場では、多忙な現場の一線に立つIT人材にこそ、如何に効率的に高度な知識・技能を修得させるかが重要な課題となっている。
このため、試験制度が高度なIT人材の育成・供給に一層貢献できるよう、多忙な現場の一線に立つIT人材にも、より一層受験しやすくするような受験方法の工夫を進めると同時に、海外におけるスキル標準との国際的な相互連携の推進など、魅力ある試験制度へと一層の改善を進めていくことが必要である。

2.

見直しの基本的方向性

平成12年6月に発表された内容に即して試験制度改革自体は終了したが、こうした新たな問題を解決していくためにも、試験制度として、実現可能性を確認しつつ不断の見直しを続けていくことが必要である。

まず第一に、試験をより徹底的に受験しやすくするため、

1)試験のCBT化

-CBT(Computer Based Testing)を導入し、出題方法の合理化や現在年に1~2回に限定されている受験機会の拡大を図る
-CBT化を契機に、合否以外の相対的な能力評価など試験結果の公表内容を充実し、更に具体的な能力評価制度となることを目指す

を行い、受験機会や受験方法に関する選択肢の拡大、より効率的な能力認定手法の追求を行うこととする。

第二に、アジア諸国からの協力要請が高いことはもとより、国内のIT人材を目指す者及びIT人材雇用者双方にとって試験を活用するインセンティブを高めるため、

2)試験の国際化

-アジア地域における試験制度の相互認証の推進などを通じた、IT人材雇用者側に魅力のある制度作り
-欧米のスキル標準若しくは試験制度との相互認証などを通じた、IT人材にとってのより魅力有る制度作り

などを進め、受験者、ひいては合格者を採用したりIT人材を育成する機関にとっても一層魅力のある能力認定制度となることを目指す。

第三に、こうしたCBT化や国際化を円滑に進めIT人材市場で指標としてより積極的に活用して貰うためにも、国内の13試験区分に即してそれぞれ個別に作成されており受験者以外には使いにくいと言われているスキル標準体系を見直す。その際には、

3)スキル標準の更なる体系化・簡素

-試験の出題区分は維持しつつも、現行の試験区分ごとに策定されたスキル標準の体系を見直し、IT人材市場におけるニーズを踏まえながら、IT人材に求められるスキル全般をわかりやすく体系化・簡素化したスキルの指標体系への更なる改訂を行う

に重点を置き、試験との厳密な対応関係にこだわらず、むしろ、産業界等IT人材雇用者やIT人材育成機関など様々な者がより色々な形で活用できるようなスキル標準への改訂を目指す。

なお、こうした試験のCBT化、国際化、それに伴うスキル標準の体系化・簡素化を進める機会を活用して

4)認定更新制度の在り方の検討

IT技術者試験として持つべき知見の急速な変化に対応し、最新の技術動向を踏まえた知見を持っていることを継続的に認定するための仕組みの導入を、CBTのような利便性の高い試験実施手段の導入とあわせて検討する。

5)身体障害者への配慮方法の検討

身体障害者に対する利便性の向上ばかりでなく、身体障害者がコンピュータを使いこなせることを積極的に証明するための受験方法もCBTの導入にあわせて検討

を行い、試験制度をIT人材認証制度として更に魅力有るものへと見直していく。

なお、スキル標準に関する十分な体系化・簡素化が進めば、将来的には、IT人材を雇用する企業等が「スキル標準」に準拠した教育・研修を行っているとの認定を受けた機関の卒業生を積極的に採用するといった形で、「スキル標準」がIT人材雇用機関とIT人材育成・研修機関の橋渡し役となり、ひいては、欧米のように、産業界による教育・研修プログラムのアクレディテーションの動きを加速化することも期待される。 このため、スキル標準の体系化・簡素化と並行して、

6)教育・研修プログラムの認定に向けた検討

-スキル標準がIT人材の育成・研修機関のカリキュラムを認定するベースとしても活用できるよう改訂の内容等を十分に検討する

を行い、試験制度がIT人材の市場への流入を円滑化するよう配慮する。

III.見直しの具体的な方向

1.

試験のCBT化

(1)

意義

CBT化の推進には、主として以下のような意義が認められる。

1)受験しやすさ等の面からの試験制度としての競争力を確保
2)受験機会及び利便性の向上によって受験者を増加
3)深刻になりつつある試験会場不足への対策

なお、年間受験者数が80万人に上る情報処理技術者試験が積極的にCBT(Computer Based Testing)を採用することによって

4)CBTを含めたe-Learningにおける関連市場の日本での牽引役となる

という視点もある。

(2)

課題

<CBT化自体に関するもの>

1)受験機会の拡大等利便性の向上に資する受験形態の検討と作成問題数の最小化を目指した出題形態の検討、そのための試験問題の一層のコンポーネント化
2)現行試験とCBT試験との同等性・同質性の検証
3)試験問題の充実及び試験委員に依拠する作問体制の見直し・強化方策の検討(数十倍の試験問題のストックが必要、試験問題の外注・公募等)
4)Test Scienceへの積極的取り込みと採点方法・認定方法の効率化に向けた見直し
5)Test Siteの確保及びセキュリティの確保
6)PBT(Paper Based Testing)からCBTへの移行時における経過措置
7)その他(論述問題等PBT化の取り扱いなど)

<結果の公表に関するもの>

1)合否以外の相対的な能力評価など公表内容の更なる充実
2)受験者の合否判定ばかりではなく、「試験問題ごとの解答・得点状況・解説」などの試験内容全般に関する情報の公開

(3)

提言

上記CBT化の意義及びパブリックコメントにおいても8割以上の方が賛成している現状などにかんがみ、CBTの導入を推進することとする。その際、

1)試験の国際展開等昨今のITを取り巻く現状及び技術的な準備状況にかんがみ、平成15年度中可能な限り早い時期に一部の試験のCBT化を開始できるように検討を進める。
2)能力認定の評価は現行の試験区分に基づいて行うこととするが、そのための出題方法自体は必ずしも評価のための試験区分にとらわれる必要はないことから、現行の試験区分に基づく能力評価を最も効率的に行えるような出題方法を追求し、結果として同等の能力認定となるようにする。

2.

試験の国際化

(1)

意義

国際化の推進には、主として以下のような意義が認められる。

1)国際的に共通化された能力指標の提供を通じ、日本企業による優秀な外国人IT人材の活用を推進
2)現地でIT人材を採用する際のコスト/リスクの軽減を通じ、日本企業の海外進出基盤を整備
3)海外企業とのソフトウェア開発における業務提携の下地を整備
4)日本のIT人材が海外就職や外資系企業に就職するの際の能力評価指標を整備

その際、試験制度自体を国際的に共通にするというアプローチを取るよりも、各国の試験制度が認定の基礎としているスキル標準を国際的に共通化し、各国における試験の能力認定の内容を相互認証できるようにすることが、各国個別のニーズ・事情に応じた柔軟な国際展開を可能にするものと考えられる。

(2)

課題

1)IT人材市場の成熟度合いによって協力内容が相違するため、各国におけるニーズの把握と協力体制の構築(IT教育体制の整備、試験制度の構築等)
2)欧米諸国における主要なIT人材認証制度(スキル標準と試験制度)の調査
3)各国の事情に配慮した柔軟性のあるスキル標準若しくは試験制度の相互認証の在り方の検討
4)英語による試験実施の可能性の検討

(3)

提言

パブリックコメントにおいても過半が賛成していること、上記国際化の意義、アジア諸国からの要請、試験制度としての国際競争力の強化などにかんがみ、積極的に国際化を進める。特に、要請の強いアジア諸国ばかりでなく、欧米のスキル標準若しくは試験制度との相互認証の可能性も積極的に探る。また、併せて、我が国IT人材の国際性を強化するため、国内において英語で試験を実施する可能性も検討する。

3.

スキル標準の更なる体系化・簡素化

(1)

意義

現行のスキル標準は、受験者にとって出題範囲をより詳細に確認するための出題の基礎としての性格が強く、各試験区分に対応した形で体系化されているが、試験としての独自性の確保という要請と、「ITのスキルの標準」としてのスキル標準の確立という要請に両立するとの観点からは、むしろスキル標準は既存の試験区分から離れて、一層体系化・簡素化を進めることが有効である。具体的には、以下のような意義が認められる。

1)我が国固有の試験区分にとらわれず、より国際的に共通化しやすい体系への移行を推進
2)簡素な体系となることによって、産業界等IT人材を雇用する者にとって一層使いやすい能力評価指標を提供
3)IT人材の育成を行う教育・研修機関にとっても自らの育成プログラムを見直す上での重要な目安を提供
4)CBT化に伴い進められる可能性のある試験出題内容の一層のコンポーネント化とモジュール化を合わせた形で再度スキルを体系化

(2)

課題

1)IT人材市場において求められるスキル内容の再検証とコンポーネント化
2)IT人材教育・研修機関が育成しているスキル内容の再検証と、IT人材育成プログラムのアクレディテーションに活用しやすいスキル体系の検証
3)海外におけるスキル標準の実態調査と相互認証しやすいスキル体系の検証
4)CBT化するに当たって技術的に必要となるスキル体系の検証
5)これらの要請を満たし、かつ、わかりやすく使いやすいスキル体系の在り方の検討、及び、試験出題作成のためのリファレンスの整備
6)スキル標準の策定・見直しのための検討体制の在り方

(3)

提言

上記の意義に加え、パブリックコメントにおいても積極的に見直すべきとの意見が多数を占めていることから、情報処理技術者試験センター及び中央情報教育研究所ばかりでなく、産業界等IT人材を活用する者やIT関連学会、教育界等とも連携をとりつつ、IT動向の変化を踏まえたスキル標準の体系化・簡素化を行う。その際には、CBT化や国際化の観点からの要請も極力取り込みつつ、スキル標準体系全体の見直しを図る。

4.

認定更新制度の在り方の検討

(1)

意義

IT市場の急速な変化に対応した柔軟な認定更新制度が導入できた場合には、以下のような意義が認められる。

1)合格者に対し、不断にスキルを磨くための努力目標を提供
2)合格者を活用しようとする者に対して、常に最新の動向に対応した能力認定制度としての信頼を付与
3)各種IT人材育成プログラムにとって、その内容の見直しの指針を提供

(2)

課題

1)CBTの導入を図りつつ、更新認定するスキルの内容の十分な検証
2)受験生に過重な負担とコストをかけない更新制度の検討(更新制の選択、CBT方式、研修制度方式等)

(3)

提言

能力認定の更新については、パブリックコメントにおいても必要性を認める意見が過半を占めているものの、「情報処理技術者試験の能力認定という側面」及び「受験生に対する負担」などとの観点から慎重論もあった。したがって、認定更新制度の必要性及び実施の方法について、更なる検討を行うこととする。

5.

身体障害者への配慮方法の検討

(1)

意義

身体障害者への一層の配慮に関しては、パブリックコメントにおいても推進するべきとの意見が大半を占めている。情報処理技術者試験では、現在でも、身体障害者のため、i)点字、拡大コピーによる受験、ii)試験時間の延長、iii)ワープロの持ち込み等の措置を講じているが、CBTの導入などを契機に更に身体障害者に対する利便性の向上を図ることには、以下のような意義が認められる。

1)身体障害者の就業機会を一層向上
2)訓練を受けた身体障害者のITプロフェッショナルとしての技能の高さをより積極的に証明

(2)

課題

1)身体障害者が一層自らのITプロフェッショナルとしての技能の高さを証明しやすくするための内容の工夫(CBT化する際の点字の導入、画面読み上げソフトウエアの利用など)
2)身体障害者に対する一律の導入ではなく、極力その障害の程度に応じた対応(例 点字出題等現行のシステムの存否)の確保
3)身体障害者への配慮の行き届いた受験会場等の確保

(3)

提言

パブリックコメントにおいても提出された意見は全て一層の身体障害者への配慮を求めており、特にCBT化を契機として、一層の点字の活用、試験会場での配慮の徹底などより身体障害者に対する配慮を向上させることが出来ないか、その具体的な方策を検討する。

6.

教育・研修プログラムの認定に向けた検討

(1)

意義

教育・研修プログラムの認定に関しては、先の産構審中間報告を受けて学科認定制度を廃止したことから、現在、特段の手当がない。パブリックコメントにおいても、教育機関等の認定は有効とする意見が過半を占め、反対とする意見の中でも試験制度自体とは別の形で認定自体は行うことが望ましいとの意見がある。仮に体系化・簡素化されたスキル標準をベースとした何らかの教育・研修プログラムの認定が行えるとした場合、以下のような意義が認められる。

1)教育・研修プログラムの受講者がより主体的にプログラムを選択可能
2)産業界等IT人材を雇用する側においても、活用すべき人材育成プログラムをより積極的に見つけることが可能
3)最終的には、産業界等IT人材を雇用する側によって各種人材育成プログラムを直接アクレディットするための仕組みにつなげることが可能

(2)

課題

1)認定すべきスキル標準の体系の整備が前提
2)CBTや認定更新制度の導入の是非、動向を待った上で、認定制度導入の可否を検討
3)こうした認定を受ける可能性のあるIT人材育成機関の実態について、十分な再検証が必要

(3)

提言

教育・研修プログラムの認定については、将来的にはその意義が非常に大きく、パブリックコメントの多くも認定導入に賛成をしているが、当面は、CBT化や国際化、それとも連動したスキル標準の体系化・簡素化を優先的に進めることとし、国際的なIT人材認証制度の動向が見えてきたところで、スキル標準に関連した教育・研修プログラムのアクレディテーションの在り方について順次検討を進める。

IV.最後に

情報処理技術者試験評議委員会は、試験制度改革の内容、及び同改革に当たって積み残すこととなった課題についてそれぞれパブリックコメントを求め、第二回となった前回の評議委員会では、このうち試験制度改革の内容について提案を済ませた。このため、第三回となる今回は、積み残しとなった課題に関連して今後試験制度の継続的見直しの在り方について一定の方向性を提言する。

評議委員会としては、本提言を公表するとともに、経済産業省及び情報処理技術者試験センター並びにその他の試験制度実施関連機関に対して、提言の内容に即した制度見直し若しくはそのための検討の実施を期待する。また、評議委員会としても、継続的な制度見直しの進捗状況を再度確認し、その進捗状況と課題の所在について改めて検討を行うこととしたい。

以上