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情報処理技術者試験・情報処理安全確保支援士試験

高校等における活用

2015年6月5日掲載
2019年10月2日更新

静岡県立浜松城北工業高等学校 インタビュー

今後の情報社会に不可欠なスペシャリスト育成のため、
情報処理技術者試験を活用
森下博正 先生
静岡県立浜松城北工業高等学校
森下 博正 様 電子科教諭・情報科主任・コンピュータ部顧問

【学校プロフィール】
・在籍生徒数:915名 ※ 令和元年9月現在
・設立:1897年(明治30年)静岡県浜名郡蚕業学校として設立。
・創立:1955年(昭和30年)農業機械コースを設置。※開校元年
・設置学科:機械科、電子機械科、電気科、電子科
・校訓:誠実・勤労

 「社会の発展に貢献できる有為な工業技術者を育成する」を教育目標に掲げ、「地球にやさしいエンジニアの育成」を目指しています。

授業に加え、部活動で情報処理技術者試験に挑戦

 本校では、情報教育に力を入れています。工業高校の大きな特徴である“ものづくり”の技術や研究に加えて、将来的には情報技術に関する資格が不可欠になると考えたからです。1年次は、学科を問わず「情報技術基礎」を必修科目として学び、さらに電子科は、2年次に「電子情報技術」を学ぶなど、進化する時代に対応できる人材を育成しています。
 授業だけにとどまらず、もっと自分の知識を深めたいという意欲のある生徒たちは、コンピュータ部で活動しています。現在、40名の生徒が在籍していますが、まずは基礎・基本を身に付けるために、全部員が「基本情報技術者試験」の合格を目指します。「基本情報技術者試験」は、論理的思考力や読解力が身に付いついていないと合格できないため、1、2年次の初期段階の目標に掲げています。しかし、部の設立当初はなかなか合格者が出ず、3年目にしてようやく成果を上げることができました。次第に、主体性を持たせながら、目標管理を徹底するという試験の対策方法も見い出すことができ、8年目には「応用情報技術者試験」の合格者を出すことができました。

「エンベデッドシステムスペシャリスト試験」と
「データベーススペシャリスト試験」に当校初の合格

 コンピュータ部では「3つの時間」を大切に活動をしています。1つ目は、教師から講義や説明などを受ける時間。2つ目は、学び合い、教え合いの時間。そして3つ目が、自分で悩み抜く時間。この2つ目と3つ目を連動させないと、学習の成果を上げることができないため、教わったことを自分なりに考え、部員同士で教え合うよう促しています。
 自分が理解していなければ人に教えることはできませんし、質問に答えられないのは知識が足りないということになります。教えることを想定して考えることは、とても有効な学習方法だと思います。現在では、ホワイトボードの前に部員が集まり、侃侃諤諤(かんかんがくがく)と意見を交わす様子は、よく見る光景になっています。
 このようなコンピュータ部の活動が実を結び、この春に当校初となる「エンベデッドシステムスペシャリスト試験」と「データベーススペシャリスト試験」の合格者を出すことができました。社会人でも難関とされる試験に合格したことは、彼らにとって大きな自信につながったことはもちろん、就職活動で有利に働くことは間違いありません。後輩たちに希望を持たせてくれたことも大きな功績だと思います。

「AI人材」の育成には「エンベデッドシステムスペシャリスト試験」
「データベーススペシャリスト試験」の存在が不可欠

 最近、あちこちで「AI人材不足」という言葉を耳にします。AIという言葉の響きだけでなく、どんな技術やスキルが求められているのかを考えたとき、「AIを駆使してイノベーションを創出する」ことこそが、近未来が求めるIT人材像であると思っています。そのために「情報処理技術者試験」の合格は、高校教育段階における情報技術の革新を見越したプログラミング教育・情報教育を見極めるバロメータでもあります。
 さらに、これからのIT技術者は、電子・情報分野の専門技術の習得に加え、科学、技術、工学及び数学を融合した力が求められます。その他、論理的思考力、読解力及びコミュニケーション力さえも必要不可欠です。英知を出し合い、さまざまな課題解決を図っていくためには、「エンベデッドシステムスペシャリスト試験」や「データベーススペシャリスト試験」といったスペシャリストの存在が不可欠であり、今後、需要はますます高まっていくと考えます。このような、これからの社会に求められるIT技術者を育成するため、引き続き、情報処理技術者試験を積極的に活用していきたいと思います。

合格者インタビュー

浜松城北 生徒
「エンベデッドシステムスペシャリスト試験」合格
 電子科3年 竹山 宗佑 さん(右)

「データベーススペシャリスト試験」合格
 機械科3年 糟谷 虎太朗 さん(左)

先生の指導で難関の高度試験に合格

竹山:
 電子科に所属しているため、「応用情報技術者試験」の午後試験のエンベデッドシステム分野の問題は比較的解けていたのですが、「エンベデッドシステムスペシャリスト試験」では、過去問を解いても得点が伸び悩んでいました。そんな中、顧問の森下先生にご指導いただき、体系的かつ計画的に学習を進めることができるようになり合格することができました。
 「エンベデッドシステムスペシャリスト試験」は、電子科がめざす未来の人づくり「組込み技術者の育成」に合致していることもあり、授業における「数学」をはじめ、「電子情報技術」や「電子回路」、「実習」などの学習も参考になりました。最後まであきらめることなくチャレンジし続けた点も勝因の一つだと思います。

糟谷:
 私は機械科なので、竹山君のような電子科としての積み重ねではなく、すべてコンピュータ部での学習によって合格することができました。「基本情報技術者試験」での基礎・基本、土台作りに始まって、「応用情報技術者試験」への学習活動のルーティーンが確立されている環境で活動できたことに感謝しています。
 「データベーススペシャリスト試験」は、「応用情報技術者試験」の午後試験と比べて問題が格段に難しく、繰り返し学習してもなかなか点が伸びずに苦労の連続でした。そんな時、森下先生から「基本に戻ろう。原点から始めよう!」という助言をいただき、頭をリセットして取り組むことができました。

これからの時代を生きる技術者として試験合格が「証」に

竹山:
 これからのIT技術者は、仲間と協力して課題解決を図っていくことが大切だと感じています。さらに、電子・情報分野の専門技術者として、これからのAIやIoT時代を支えるエンベデッドシステム技術やデータベース技術などを一通り身に付けておけば、さまざまな分野で大いに役立つものと確信しています。

糟谷:
 私も同感です。これからのAIやIoT時代を生きる技術者として、電子・情報分野の専門技術として、このスペシャリスト試験合格は、「証」となり自信にもなります。

試験合格の達成感が学習意欲のきっかけに

竹山:
 基礎・基本と、その土台作りに尽きると思います。中学時代は勉強があまり好きではありませんでしたが、地道に努力を重ね、「基本情報技術者試験」に合格できた達成感から、学習への意欲がどんどん湧いてきました。
 分からないことは先生や先輩に聞いたり、応用に詳しい糟谷君に手助けしてもらったりしながら、学校初の高度試験合格者となることができました。この経験を活かして積極的に取り組んでいきたいです。

糟谷:
 一人で勉強するより、仲間と一緒に勉強する方が効率が良いですし、一人で悩むより、人と問題を共有する方が解決が早いと思います。コンピュータ部は、いろいろな学科の生徒がいるので、広い視野をもって勉強することができ、知識が身に付いていくことでより上の試験に挑戦しようという気持ちが芽生えてきました。同じ目標を持つ竹山君がいてくれたことも心強かったです。最初に合格した「基本情報技術者試験」の合格証を手にしたときの気持ちを忘れずに、これからも学び続けていきたいと思います。

※掲載内容は2019年8月取材時のものです。