試験情報

群馬県立高崎商業高等学校

公開日:2015年6月5日

「iパス」は、未来に必要なIT知識が身につく国家試験

群馬県立高崎商業高等学校 先生

田嶋 正幸 様

群馬県立高崎商業高等学校 情報ビジネス科主任

学校プロフィール

・在籍生徒数:960名 ※ 平成27年4月現在
・設立:1902年(明治35年)高崎市立商業補習学校として設立。
・創立:1948年(昭和23年)群馬県立高崎商業高等学校となる。
・設置学科:流通ビジネス科、国際ビジネス科、情報ビジネス科
・スローガン:燃えろ高商 未来にチャレンジ!

教育目標は、苦難に耐えて乗り切る気風、積極進取の気風、健全明朗なる気風を養うことであり、高商生はこの目標に向かって真摯に努力しています。

情報社会に不可欠な知識の習得に役立つ

本校では、1年生の全生徒が簿記や情報処理等の共通の内容を学びますが、2年生進級時には、流通、国際、情報という3分野のビジネス科のいずれかを選択する教育システムを導入しています。本校は、早期から情報教育に盛んに取り組んできたこともあり、現在、情報ビジネス科には2年生、3年生で約250名の生徒が在籍しています。こうした本校の歴史や教育体制に加え、今後の社会では情報を利活用することは特別なことではなくなっていくため、教師たちは皆、「これからの社会を生きていく上で必要不可欠」という認識のもとで情報教育の指導にあたっています。

その一つとして注力しているのが、国家試験「iパス(ITパスポート試験)」の取得です。商業高校であることもあり、本校ではさまざまな資格取得の教育を実践していますが、情報ビジネス科の生徒は全員、2年生の3学期から3年生の2学期までにiパスを受験することを基本としています。
今の生徒たちは確固とした目標がないと、積極的に勉強することはありません。大学受験という目標があったとしても3年もの期間があります。iパスは、合格へ向けて、より短期間で頑張れるのはもちろん、勉強することで幅広い知識を得られるため、非常に役立っています。

生徒の進学や就職に有利となり、保護者や入学志願者(中学生)の評価も向上

かつて本校は、卒業後、地元の企業に就職する生徒が多かったのですが、近年は、大学や専門学校への進学を希望する生徒たちが増加。現在では就職と進学の割合が4:6と進学の割合が高まり、さらに進学する生徒の半数が4年制大学に入学しています。

進学する場合は、推薦入試や入学金及び授業料免除の条件として、iパスの合格実績などが求められるようになってきました。 また、就職においても、企業は資格保有者を優先的に採用するケースがほとんどです。そのため、資格取得を目指す生徒たちも多いです。
また、iパスに早期に合格した場合、国家試験「基本情報技術者試験(FE)」を目指す生徒もいます。 これらの生徒には、選択授業や個別指導で対応しているほか、昼休みや放課後を学習時間にあてたり、コンピュータ部で指導したりして合格に導いています。
iパスやFEに関心を持った生徒は、知的好奇心が刺激され、更なる高みへの欲求につながり、大学の社会情報学部やコンピュータ理工学部に進学して専門性を高めています。 卒業後しばらくして会うと、高校生の時には想像できないほどの知識を蓄積していて、驚かされるとともに、これからのIT社会の担い手に成長した姿を見て、とても頼もしく感じます。 これは教師冥利に尽きる瞬間です(笑)。

このようにiパスでITの基礎知識、FEでITの専門知識を学んだ本校の生徒は、実際、進学先に限らず、就職先からもかなり良い評価をいただいており、県内の中学生に限らず、保護者の方々にとって、本校は「就職も進学もできる学校」という位置づけになっているようです。

申込みや成績管理に便利な『バウチャーチケット』を利用

iパスの申込みを円滑に行うため、『バウチャーチケット』を活用しています。 生徒が受験を申込むときに、『バウチャーチケット』を渡すので、コンビニなどに支払いに行く手間が省けるし、支払い忘れもなくなります。 バウチャーチケットを使うと『成績情報提供サービス』で、受験状況や試験結果の管理もできるため、重宝しています。

また、本校では、検定料や問題集などの費用を年度当初に一括徴収する制度があり、そこにiパスの受験手数料も含まれています。 事前に集金することで『バウチャーチケット』が購入できるので、教育に活用しています。

必要最低限のIT知識を得る一つのチャンスとしてとらえる

iパスは、情報社会の中で生きていくために必要最低限の知識を得る絶好のチャンスになるので、生徒に対しても、そのような意識を持って勉強するように指導しています。 この効果か、iパスを導入してから、セキュリティやネットトラブルに関心を持ち、「巻き込まれないようにするためにはどうすればいいのか」といった情報モラル意識が、生徒たちの間で高まってきています。

高校生には理解が難しい試験内容だと思われがちですが、本校は商業高校ということもあり、マネジメント系の知識も学びますし、経済の勉強はストラテジ系と関連があります。 テクノロジ系もビジネス情報教育として、情報を扱うための処理手順、ネットワークの知識などを必修科目として学んでいます。 iパスと本校の教育内容は接点が多く、ITリテラシーの向上や人材育成においても大きな効果が期待できると考えています。

生徒、そして学校の未来にもメリットの多い国家試験

iパス取得のための試験勉強は、IT社会で必要となる知識が自然に身につきます。それは、他の高校でも同様なのではないでしょうか。 一度実施してみないと、その良さやメリットは気づきにくいものです。合格した時の生徒の喜びに満ちた笑顔、学習することで大人へと成長していく姿を見ることは、教師たちにとっても感慨深いものがあります。

iパスは国家試験で、この響きに勝るものはありません。国家試験の取得を目指せる学校ということで注目され、支持を得ることにもつながります。 さらに、高校生の時に何かしらの資格を取得することは、生徒たちにとっても今後の人生に大きなインパクトを与え、損をすることは決してありません。 そういう意味でも、今後も情報教育にiパスを積極的に活用していきたいと考えています。

iパス(ITパスポート試験)合格者 インタビュー

群馬県立高崎商業高等学校 iパス合格者

齊藤 滉稀 様

群馬県立高崎商業高等学校 情報ビジネス科 3年生

高校生でiパスに合格!

僕の在籍する情報ビジネス科では、2年生の授業で「ビジネス情報」と「プログラミング」という科目があります。 この授業ではiパスの勉強をしていて、2年の3月には、全員でiパスを受験します。

iパスを勉強していると、普段聞かない言葉や企業の仕事など、場面が想像できない問題もあり、高校生一人では、理解が難しいところも多いです。 そういった難しいところは、初めは解けなくても、授業で先生の解説を聞いたり、クラスメートに相談したりして、自分なりに理解しました。 特に経営などのストラテジ分野やマネジメント分野の問題は難しかったのですが、「社会に出てからは、教科書の知識だけでは乗り越えられないことも多いのだな」と、少し実感できました。

疑似体験ソフトが相棒でした

iパスの勉強は、授業と公開問題の繰り返しでした。 自宅の勉強では、IPAが提供している『CBT疑似体験ソフトウェア』を主に使っていました。 繰り返しやることで、目に見えて、得点が上がっていって、本番試験前には、6割以上とれるようになっていたので、合格する手応えはもっていました。 普通の参考書だと、自分で解いて、自分で採点しないといけないですが、疑似体験ソフトウェアは、解いた後、自動で採点してくれるので、楽でよかったです。 あと、本番試験の操作で勉強ができるので、本番も緊張しないでできたのが、合格につながったのではないかと思っています。

情報セキュリティの知識も身に付きました

高校の授業では、情報セキュリティを直接教えてくれるようなものは少ないですが、iパスの勉強を通して、情報管理や個人情報の重要性の理解が深まりました。卒業後は、公務員を目指しています。IT業界ではないですが、どんな仕事でも多くの個人情報を扱うので、社会に出る前にiパスを勉強できてよかったです。

次は、基本情報技術者試験の合格を目指します

iパスには、1回で合格しました。この勢いで、次は、FEの合格を目指しています。勉強は始めたばかりですが、iパスより難しいです。 内容が深く掘り下げられているので、そう簡単に合格できないとは思っていますが、iパスで蓄えた基礎知識をもとに、本気で取り組みます。 iパスには、受かりましたが、実は、今でも、監査やベンダの委託先の決定方法など、よくわからない問題もあるので、もっと、勉強します。

高校生へのメッセージ

iパスは、簡単ではないです。でも、絶対に合格できない試験ではないし、合格すると素直に嬉しいです。 いろいろな知識が学べる試験なので、みんなにも目指してほしいです。これからの社会では、ITは重要です。 iパスは、ITの知識をもっているということの証明なので、みんなに誇れますよ。